不動産投資は相続税対策としても有効です。
不動産は相続税の計算基準となる評価額が低いため、現金をそのまま相続した場合と比べて相続税を低い金額に抑えることが可能です。
1.土地
国税庁が定める路線価が相続税の評価額となります。
路線化は実勢売買価格(時価)の80%程度の金額となるため、
例えば時価5,000万円の土地であれば、相続税の評価額(路線価)は4,000万円となります。
2.建物
固定資産税評価額が相続税の評価額となります。
固定資産税評価額は建築費のおよそ50%~60%の金額となるため、
例えば建築費用が5,000万円の建物であれば、相続税の評価額(固定資産税評価額)は
2,500万円~3,000万円となります。
上記の土地・建物を1億円で購入して相続する場合、評価額は7,000万円。
→現金でそのまま相続する場合と比べて3,000万円分、評価額を減らすことができます。
相続税の評価額が減ることで、相続税の金額はどれくらい変わってくるのか具体的に計算してみましょう。
- 相続財産2億円、配偶者1人・子供2人の計3人が相続人となる場合 -
step.1 評価額から基礎控除分を減額し、課税標準額を算出
相続税の基礎控除は「3,000万 + 600万 × 法定相続人の数」です。
今回の場合は4,800万円が基礎控除額となるため、課税標準額は1億5,200万円となります。
step.2 課税標準額を法定相続分で案文
相続人には予め相続割合が定められています。これを法定相続分といいます。
今回の場合は配偶者が2分の1、子がそれぞれ4分の1となるため、
課税評価額は配偶者が7,600万円、子が3,800万円ずつとなります。
step.3 課税標準額から相続税額を算出
課税標準額によって相続率および控除額が定められています。
配偶者…7,600万円 × 30% - 700万円 = 1,580万円
子…3,800万円 × 20% - 200万円 = 560万円 × 2人 = 1,120万円
ただし、配偶者については「相続財産が1億6,000万円までは無税となる特別控除」が存在するため
今回の場合だと配偶者の相続税は0円です。
2億円の相続財産に対し、納める相続税額は1,120万円となります。
step.1 評価額から基礎控除分を減額し、課税標準額を算出
1億4,000万円 - 4,800万円(基礎控除) = 9,200万円(課税標準額)
step.2 課税標準額を法定相続分で案文
配偶者が4,600万円、子が2,300万円ずつ
step.3 課税標準額から相続税額を算出
配偶者 … 特別控除により相続税は0円
子 … 2,300万円 × 15% - 50万円 = 295万円 × 2人 = 590万円
2億円の相続財産に対し、納める相続税額は590万円となります。
現金でそのまま相続する場合の相続税額は1,120万円でしたので、530万円の節税が実現できる計算になります。
1棟アパートやマンション等の収益物件を購入した場合、その評価額がさらに低くなる制度があります。
・収益物件の建物は評価額が約30%減
・収益物件が建てられている土地は評価額が約20%減
不動産の評価額が下がれば相続税の金額も下がるので、最大の節税効果を目指すのであれば
自己所有の不動産ではなく、収益用の不動産の購入がオススメです。